…というイメージにぴったりの写真をここにはめるとか、そういう工夫もこれからやっていこうっと。
(今回はさぼっちゃいます)
さて、
いま、私の目の前には1冊の本があります。
在学中にお友だちになっておけば良かったなあ、ってな感じの岩瀬大輔さんの本。
(東●大学法学部じゃないですよ。小学校でもないけど)
この本は、2011年の夏ごろ(前職を離れてから1~2ヶ月後)に入手した記憶があります。ハローワークのおじさんに「あなたなら、転職するより自分の会社を作られたほうがいいのでは?」とおだてられた頃ですね…。あはは、お恥ずかしい。
近ごろは新規事業開発の手引書もたくさん書店に並ぶようになり、私も少なくとも10冊は手に取りましたが(新刊でのオススメはコレ)、けっきょくはこの本に戻ってきています。
ゼロからのスタートアップ企業が意識するべきポイントが非常にコンパクトにまとまっていますし、地道にロジックを積み上げていく過程は、とても参考になります。
(PHP研究所の編集者さん、グッジョブ!)
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この本は今でも折にふれて読み返し、
「当事業が価値をご提案する顧客像(ペルソナ)は、どのように固めていくべきか」
「事業の立ち上げにあたり、どういった方々にどのような支援を仰ぐべきか」
などを確認しているのですが、私がいちばん印象に残ったのは、末尾の2ページにまとめられた「おわりに」の部分。岩瀬さんご自身が「起業」という選択をする際のいきさつが、非常に簡潔に記されています。
著者はハーバード大のMBAに留学するまで、戦略コンサルタントであるとかヘッジファンドのマネージャーであるとか、いわゆる「事業会社」ではないところでキャリアを積んでこられた方。留学中に、ある日本人投資家から「帰国したら、Start Up Company(ライフネット生命の前身会社) の創業メンバーに参加しないか」と誘われます。
どうしたものかと悩んでいたところ、「妻にこう言われた」と記していらっしゃいます。
妻:「私の家は自営業で、小学校の同級生も皆、商店街で商いを営むパン屋、お好み焼き屋、おもちゃ屋、あるいは自動車ディーラーの子どもだった。だから私にとって、自分で商売をやることは何ら特別なことでなく、すごいことでもリスクが高いことでもない。もっとも原始的な職業の形態にすぎないけど」商店街で生まれ育った彼女にとって、自分のイメージする商圏において誰も手がけていない事業活動を創造し、マーケット(ご近所さん?)に価値を訴求していくことは、規模の大小はどうあれ「ふつうのこと」だと言うのです。
考えてみれば、たしかにそのとおり。
でも、このくだりのやりとりを見るかぎり、あの岩瀬さんですら「自分で事業を興すこと」については、ためらうような特別な感情をお持ちだったことがわかります。
そして、岩瀬さん自身の言葉が続きます。
”今の自分に「何ができるか」ではなく「何が世の中に求められているか」から発想して実行に移せば、ヒト・モノ・カネはあとからついてきます。(中略)新しい産業が興らない国は、先細りしていくだけです。本書が、ビジネスを興すための運命の出会いに気づくきっかけとなり、自らの会社をもつ最初の一歩となれば、著者としてこれ以上の喜びはありません。”
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私の場合、前職でのTVディレクターの仕事においては「君自身には、なんでそんなに自己主張がないんだ! 君ならではの番組を提案しないでどうする!」と言われ続けて苦しかった記憶があります。
でもこの文章を読んだとき、「こんな私だからこそ、世の中に必要なサービスだと言われながら誰も始めようとしない事業領域に、大胆に飛び込んでいけるのではないか?」という、なんだか予感めいたものを覚えた記憶があります。
本書でも強調されていますが、とにもかくにも
何が世の中に求められているのか、から発想せよ。
”Resource-Driven”(現有資産や過去のノウハウからのスタート)ではなく、
”Opportunity-Driven”(大きな事業機会からのスタート)という視点を持て。
と、いうことなのだと。
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このような基本原則や心構えを早い段階で得たことは非常に有り難かったのですが、そこからの2年あまりは”のたうち回る”といった表現がぴったりの、知的格闘の連続でした(外からは、のほほーんとしているように見えたかもしれませんけどね…。)
MBAの人がガリガリ読むような書籍の山に没頭し、ファイナンスの理屈を頭に叩き込み、ICT(通信コミュニーケーション技術)の活用法を研究し、法務上の規制をすべてチェックする…。 去年の秋口までは「いったい、いつになったら答えが見えてくるんだー!」なんて日々思ってましたよ、ほんとに。
しかも、資本金を集めてこなきゃスタートできない(=行政機関からの開業免許が下りない)事業だから「とりあえず、やってみればわかるよね」というわけにもいかない。
けれど最近は、ようやく岩瀬さんたちライフネット生命の創業チームが立ったのと同じ、明快なビジョンを持った状態でスタートラインに立てているかな、という気がしてきています。
まだスタートラインではありますけど、遥かかなたのゴールへと続く走行コースは、確かにイメージできています。あとは一緒に走ってくれる創業チームを作り上げてビジョンを共有し、外部に向けての”見える化”をしていくこと。今年はそれに終始する1年になりそうです。
では最後に、開業へのプロセスの中で、いま改めて意識しているポイントを本書から。
”実際にマーケティングの打ち手を考えていくには、顧客の属性だけでなく、どのように購買の意思決定を行っているのか、その購買行動を理解することが不可欠です。
顧客はどこでその商品について知り、情報収集を行い、何を頼りに検討し、購買の意思決定まで行うのかを探っていくのです。
多くの商品の場合、意思決定の当事者が複数出てくることが、大きなポイントとなります。”(p.42)旅行商品も、意思決定までのプロセスって複雑ですよね…。 このあたりの生の声をリサーチして把握するまで、まだまだ道のりは長そうです。がんばろうっと。
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