より簡単に言えば「私(たち)が手がける事業のお客さま像」を特定すること。
(答えは日本の「外」にある。当たり前ですが)
…とか書きますと「え? なに言っているの? お客さまの想定もまだ決まっていないの?」という声が聞こえてきそうですね。でも、本当なんですコレが。
決まっていません、というよりも、決めることをずっと避けてきました。
”訪日観光客むけの情報サービス業”という大きなくくりがまず定まり、法令上の課題もクリアし、サービスに活用できるICT技術を理解し、創業メンバーにふさわしい人物像をスキルとマインドの両面から思い描き… といった基本的なロジック、いわば事業のタネ=”シーズ(seeds)”については、かなり強固なものができあがった自信はあります。
しかしながら「そのサービスを、どういったお客さまのどういったニーズ(needs)やウォンツ(wants)に特化させていくか」という作業、つまり「事業デザイン」というのは、次の段階のお話。
(4/15追記):経営の世界では事業の種(seeds)という言い方がよくされるようですが(特に技術系の事業の場合)、当方のイメージとしては「事業の骨格は出来たけれど、肉付けと彩色はこれから。お客さまの利便性と嗜好に合わせて作り込みます」といった感じでしょうか。
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スタートアップ事業がつまずく最大の要因として、「創業者が1人しかいないこと」という項目がまず挙げられます。
たとえば→ 「スタートアップを殺す18の誤り」
(YコンビネーターのPaul Graham氏。こちらは日本語訳)
原典(英語)は→こちら
仮にロックバンドとしてデビューするつもりだとして、まだメンバーの顔ぶれも決まっていないのに「こういう客層のオーディエンスに向けて、こういう曲を作っていくんだぜ!」なんて1人で勝手に決めちゃう人はいませんよね。
「事業デザイン」というビジネスの根幹部分は、集まってくれた仲間たちと相談しながら創りたいと、ずっと思っていたわけです。
とはいえ「ゼロからの新規創業」に主体的に関わることは、日本ではまだまだ特殊なケースのようでして(ロックバンドを創るほうが、まだふつう?)、一緒に経営上のリスクを背負ってくれる方々、「事業を自分の手で創ってみたくてたまらない! 無事にお金が循環しはじめるまで、報酬なんてどうでもいい!」みたいなファンキーな方々に集まってもらうのはたいへん。
かといって、メンバー集めが不調なことをいつまでも言い訳にし続けるわけにもいきません。そうすると必然的に、本来ならば避けるべき「ひとりマーケティング→顧客像の特定」に突入せざるを得なくなるわけです。
このように後ろ向きな気持ちもあるのですが、また一方では、ひとりの人物が市場リサーチをガンガン進めることから生じる「熱」のようなものが、創業期に必要な人材を呼び寄せることにも繋がるのではないかと、最近は考えるようになりました。
リスクもあるとは思うのですが、私ひとりの段階であっても
「どういったお客さまの、どういったお困りごとを、どのように解決するサービスなのか」
「お客さまと最初に接触する段階では、そのお客様はどこにいらっしゃるのか。もう京都市内なのか、まだ出発前のご自宅なのか」
…こうした細部の絞り込み作業を、いよいよ進めていこうと考えています。
この方針転換、吉と出るか凶と出るか…。
ちょっとドキドキであります。では、また!
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